◆人気復活の「世界半導体株投資」
「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」が第4位に浮上した。同ファンドは2024年3月と6月に売れ筋のトップに立ち、2024年の夏までは売れ筋の上位をキープする人気ファンドだった。2022年11月30日に公開された対話型AI「Chat(チャット)GPT」をきっかけに生成AIブームとなり、生成AIに最適化された半導体の製造者としてエヌビディアが脚光を浴びるとともに、AIの浸透に伴う膨大な半導体需要が想起され、半導体産業の長期成長ストーリーが共有されるようになった。それが半導体関連株式を押し上げる力になり、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」の基準価額は2022年12月末に5万7120円だったものが、2024年6月には19万1500円へと、わずか1年半で3.3倍に上昇した。
ただ、半導体関連株は、2024年半ばからはあまりの期待の大きさに株価が割高な水準になってしまい、増収増益の決算を発表しても市場が期待する業績の水準に達しなければ株価が下落するということになってきた。そして、2025年3月末時点の1年トータルリターンはマイナス2.84%とマイナス圏に落ち込んでしまった。過去5年の年率トータルリターンは39.47%と非常に高くなっているものの、2024年半ば以降の停滞が過去1年のパフォーマンスを押し下げている。
パフォーマンスが劣化するなかで売れ筋ランクが上がってきているのは、半導体産業の将来に対する期待の大きさの表れだといえる。足元の株価はさえないものの、将来の成長に期待して購入を考える投資家が少なくないということだ。4月には「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」の基準価額も一段と下落する展開になっているが、3月に上がったランクを4月も維持できるかどうか注目したい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩