マネックス証券の投信売れ筋ランキングの2025年2月のトップは前月に続いて「楽天 日本株4.3倍ブル」だった。前月第3位だった「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が第2位に浮上し、前月2位だった「日経225ノーロードオープン」は第6位にまで落ちた。そして、前月はトップ10圏外だった「楽天・日本株3.8倍ベアIII」が第7位に、「SBI 日本株3.8ベアII」が第9位に、それぞれランクインした。
一方で、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、また、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」などの順位も上がっている。
◆日本株のブル・ベア型ファンドの悲喜こもごも
マネックス証券の売れ筋ランキングの特徴は、短期勝負・タイミングを計って投資するレバレッジ型(テコの原理で現物株市場の数倍の比率で値動きするファンド)のファンドがトップ10に4本もランクインしているところだ。トップが「楽天 日本株4.3倍ブル」で、第3位に「SBI 日本株4.3ブル」という「ブル型」が入っている。これは日本株の上昇を期待してのことだろう。日本株を代表する「日経平均株価(日経225)」は3月に4.14%下落し、年初来の下落率が10.72%に達した。3月には「下げ過ぎの反動」を期待する動きが「ブル型」の日本株ファンドに向かったと考えられる。
一方、3月には「楽天・日本株3.8倍ベアIII」や「SBI 日本株3.8ベアII」もトップ10にランクインしている。こちらは日本株が下がるほどに収益が上がるタイプの「ベア型」のファンドだ。順位は、「ブル型」が第1位と第3位、「ベア型」は第7位と第9位であるため、圧倒的に「ブル型」を支持する投資家の方が多いのだが、2月の下落(「日経225」で6.11%安)時点では「ベア型」はトップ10圏外だったが、3月の下落で「さらに大きく下げる可能性がある」と考えた投資家が増えたということがわかる。
実際の動きは4月7日の時点では日経平均株価は3万1136円58銭となり、3月末比12.58%安の水準に下げた。3月時点で「ベア型」を購入した投資家はこの時点で大きな収益を得たことになる。一方、「楽天 日本株4.3倍ブル」は3月末時点の基準価額1万5660円が4月4日時点で1万2285円に下落し、4月7日には一段安になった。株価の動きを事前に予測することは不可能といえるが、2024年12月30日を10000とした場合、4月4日時点で「日経225ノーロードオープン」は8520で約15%安だが、「楽天 日本株4.3倍ブル」は4668と半値以下に急落し、「楽天・日本株3.8倍ベアIII」は17000と70%高になっている。それぞれのファンドの投資家の表情は好対照となっているだろう。
