◆オーソドックスなファンドに継続買い

売れ筋ランキングでブル・ベア型のファンドに資金が流入する一方で、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、また、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」という新NISA始まって以来の人気銘柄への資金流入も続いている。

米トランプ大統領が米国が輸入している全製品に対して関税を大幅にアップすることを表明し、特に、34%の追加関税という大きな関税を課された中国は直ちに報復関税を打ち出したことなど、世界的な貿易戦争への懸念が高まり、それが、世界各国の企業業績を悪化させ、景気が悪化するとの見方が強まっていることで、世界各国の株価が急落している。この混乱の落ち着き先が読めないため、株式市場の底値も見えない状況になっている。

このような不安定な市場にあって頼もしいのは投資信託による「積み立て投資」だ。株価が下がれば下がるほどに多くの口数を買いためていくことができる。毎月の金額を決めて計画的に「積み立て投資」をしている限りにおいて、この株安局面が将来の資産を作るチャンスの1つになる。資産をつくるポイントは、株価が落ち着いて反転するまで「積み立て投資」を辞めないことだ。貿易戦争と言われたところで、この戦争は交渉によって終了させることもできる。

米国ではトランプ大統領に対する抗議デモも行われ、米国民の反発がトランプ大統領の政策を動かす力になるかもしれない。高値から20%を超えて下落している市場は、トランプ関税による最悪の結果を織り込もうとしているといえる。最悪の結果でなければ、株価は下げ過ぎた分を戻すことになる。株価回復のタイミングがいつになるのか、何がきっかけになるのかわからないが、向こう4年と考えて「積み立て投資」を継続する気持ちになれれば、この株価下落も怖くないと考えられるのではないだろうか。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、また、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」などに購入注文が続いている現在は、中長期の目線で投資している国内の投資家が決して少なくないことを感じさせる。

執筆/ライター・記者 徳永 浩