ドル円の動向は

ここから改めて、ドル円の動向を考えてみたいと思います。

 

図でまとめたのは2022年、2023年、2024年のドル円相場と日米の実質金利差とドル円をプロットしたものです。

現在の日米実質長期金利差はだいたい1.9%ですがこの水準に対応するドル円は、140円前後です。現在、146円台を回復していますが、株価の下落が続く内は株安・円高というアルゴリズムが働き、円高の動きが続く可能性を想定する必要があります。140円割れまでのドル安円高を頭に入れておいても良いと思います。

逆に株が下げ止まってくれば、円高も収まってくるでしょう。そういう意味では為替を見る上で株価、特に米国のS&P500の動きの与える影響が大きいとも思っています。

出典:内田氏

S&P500について説明する前に、株価が1株あたりの純利益(EPS)の何倍で成立しているのか、つまり株価をEPSと株価収益率(PER)の掛け算で考えて下さい。

たとえば、EPS10ドルのA社株が200ドルで取引されていた場合、PERは20倍です。このPERは、市場のセンチメントが強気か弱気か、といったものに影響を受けます。またEPSは今後の予想EPSを使うことが一般的です。

 

実際のS&P500と予想PERを見ますと現在、予想PERは20倍を少し割るくらいの水準です。一時期PERが25倍以上でしたからかなり割高感が是正されました。ただ、過去20年余りの平均は大体18倍ですからS&P500も4900割れまでもう一段安があってもおかしくないと思います。

その場合、ドル円も140円程度まで続落する可能性があり、頭に入れておいた方が良いでしょう。