為替市場についても見ていきます。

 

過去1年間のドル円相場を見ると、今週は昨年12月の安値(149.68円)付近で下げ止まり、足元では150円台を回復しています。

 

今週1週間の対ドル変化率を見てみましょう。全ての通貨がドルに対して下落しており、ドルが全面高でした。日本円は7通貨中、下から3番目の位置でした。つまり、金利低下にもかかわらずドルが強く、リスク回避にもかかわらず円はそれほど強くならなかったことが分かります。

ドルが強かった大きな要因は、ユーロドル相場の動きです。

 

ここ1週間のユーロドル相場をまとめました。まず23日にドイツの選挙結果が出た後に、財政拡張期待からドイツの金利上昇・ユーロ高の動きが出て、ユーロドルは1.05台までユーロ高・ドル安になりました。

しかし、その後CDU/CSU側から債務ブレーキの即時緩和に否定的な発言が出たため、財政拡張がすぐには進まないという見方から、週末にかけてユーロ安・ドル高に進みました。

ユーロドルは為替市場で最も出来高が大きい通貨ペアです。ここでドル高になると為替市場全体でもドルが強くなる傾向があります。

おそらく今週、金利が下がった割にドルがしっかり推移していたのは、選挙後の財政拡張期待剥落による「ユーロ安→ドル高」が生じそこからの波及効果で、全般的にドルが強かったと考えられます。