ビール大手 海外は東欧と豪州で高シェア、ブランド力に強み

業績の前に、まずは概要を押さえましょう。

「アサヒビール」で知られるアサヒグループホールディングスはビールの大手メーカーです。1889年に創業の大阪麦酒が1906年に企業統合で大日本麦酒となり、1949年の分割で誕生した朝日麦酒を前身に持ちます。なお、もう1つの分割会社である日本麦酒は現在のサッポロビールです。

主力商品は、やはりビールです。国内は首位級、海外でも欧州やオセアニアで高いシェアを持っています。海外はM&Aを中心に展開を進めました。取得した「ウルケル」や「ペローニ」といった人気ブランドは、アサヒグループホールディングスの海外事業を支えています。

【アサヒグループホールディングスの海外ビール市場シェア(2023年)】

・チェコ:49%
・ポーランド:36%
・ルーマニア:39%
・イタリア:19%
・英国:5%
・豪州:46%

出所:アサヒグループホールディングス ファクトブック

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酒類以外では、「三ツ矢サイダー」や「カルピス」などの飲料、「ミンティア」や「クリーム玄米ブラン」などの食品、「エビオス」や「ディアナチュラ」といった指定医薬部外品やサプリメントなどを手掛けています。

売り上げを分解すると、主力商品は酒類、主力市場は日本だと分かります。とはいえ、注力するのは海外です。ブランド力の強いビールを中心に、グローバルで拡大を目指します。

【アサヒグループホールディングスのセグメント売上収益(2023年12月期)】

 

※横軸(地域)の合計はセグメント間の消去後、縦軸(財、サービス)の合計は連結の値

出所:アサヒグループホールディングス 有価証券報告書