老齢厚生年金の年金額

老齢厚生年金は、老齢基礎年金のように「改定率」を使うのではなく、会社員であった期間に受け取った給与と賞与を年度ごとに計算する際に使われる「再評価率」によって年金額が決まる仕組みとなっています。この再評価率は、老齢基礎年金の改定率と同じように賃金や物価の変動率をもとに計算され、マクロ経済スライドによる調整も行われます。その結果、老齢厚生年金の額は会社員であった期間に応じて下記のように計算されます。

①2003年3月以前の加入期間

老齢厚生年金額(年額)=平均標準報酬月額※1×7.125÷1000×加入期間の月数

②2003年4月以後の加入期間

老齢厚生年金額(年額)=平均標準報酬額※2×5.481÷1000×加入期間の月数

※1 平均標準報酬月額とは、加入期間について各月の標準報酬月額に「再評価率」を掛けた額の総額を加入期間の月数で除したもの。

※2 平均標準報酬額とは、加入期間について各月の標準報酬月額と標準賞与額に「再評価率」を掛けた額を加入期間の月数で除したもの。

2025年度の老齢厚生年金(月額)のモデル世帯(会社員の夫、専業主婦の妻)について決定された年金額は、夫が平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5万円で40年間就業した場合、夫の老齢厚生年金と夫婦の老齢基礎年金(満額)を合計して月額232,784円(前年度比+4,412円)となりました。

いかがでしたでしょうか?

筆者は、年金額の詳細な決定方法まで理解する必要はないと思っていますが、おおまかにどのような仕組みで年金額が決定されるのか、将来のインフレにどの程度対応できるのかを知っておいていただければ、年金制度に対する過度な不安は払しょくされるのではないかと考えています。

(執筆 : 花村 泰廣)

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