60代はセカンドライフへの過渡期です。充実したセカンドライフを過ごすためには準備が必要です。その一方で、親の介護や相続といった現実的な問題にも直面します。これらの問題に対処するためには、一定の予備知識と事前の対応が欠かせません。

セカンドライフの準備

まず、セカンドライフには経済的な基盤の確保が重要です。日常生活費、税金・社会保険料などの支出と公的年金などの収入のバランスを確認し、必要に応じて退職金や貯蓄を活用することが求められます。その際、旅行、リフォームや耐久消費財の購入などまとまった資金が必要なイベントも考慮する必要があります。消費のダウンサイジングや生活スタイルの見直しも求められます。ストレスを少なくする工夫も大切です。セカンドライフへのマインドセットは欠かせません。

次に、金融資産の活用を考える必要があります。定期預金や国債などの安全性の高い商品に加え、投資信託や株式などへの投資も検討しましょう。投資は単に「増やす」という観点だけではなく、長いセカンドライフですから「資産をインフレ(物価上昇)に連動させる」という観点も重要です。政府・日本銀行はデフレからの脱却・安定的な形でのインフレを目指しているため、インフレに連動する資産(≒投資信託や株式、外貨建て資産など)を一部組み入れることも考えてください。もちろん投資にはリスクが伴います。投資は「お金に働いてもらうこと」と表現をすることもありますが、「過労」にならないよう余裕のある金額の範囲で検討してください。

また、現役で仕事をできるだけ続けることも検討しましょう。働くことで収入を得るだけでなく、社会とのつながりや健康を維持することができます。パートタイムやフリーランスの仕事など柔軟な働き方で、無理なく働き続けることも可能です。生涯現役で、経済的な安定、社会とのつながり、心身の健康のバランスをとりながらセカンドライフを充実させることも有力な選択肢です。