老後資金をつくる心強い制度がiDeCo
まずはiDeCo(イデコ)を知らない人のために仕組みを簡単に説明しておこう。iDeCoは20歳以上60歳未満で公的年金の受給要件を満たしている人(第2号被保険者など一部は65歳未満)なら原則加入できる私的年金制度。
毎月お金を出して、あらかじめ自分で決めた運用商品を買い付けていく仕組みだ。運用商品には定期預金など元本が確保されるものもあるが、各種証券会社の人気商品を見ると投資信託など価格が変動するものが選ばれていることが多い傾向にある。人気の理由の一つは長期的に預金を上回る利回りが期待できる点にあるだろう。
iDeCoの大きな特徴は節税効果。まず掛金の全額が所得控除となる。所得控除とは、簡単に言うと税金を計算する際の所得から「差し引かれるもの」。つまり所得控除が多いと税負担は減る。iDeCoの掛金は毎月払っていくものなので、累積すれば節税効果も相当な額になる。
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また投資で得られる配当金や売却益には通常であれば20.315%の税金がかかるため、手取りは減ってしまう。しかしiDeCoで運用しているならば、運用益には税金はかからない。運用による利益額が大きいほど節税効果も大きくなる。
メリットが多いiDeCoだが注意点もある。老後資産を形成するという制度の目的から、支払った掛金は原則60歳まで自由に引き出せないのだ。もっとも、簡単に引き出せてしまってはなかなか資産が形成できないという人もいるだろう。見方を変えれば、着実に老後資金を準備するための制度ともいえる。毎月の収入と支出を考慮して、無理のない範囲で掛金額を決めるといいだろう。