来週の注目ポイント
ここまでの話を踏まえ来週の日銀の金融政策や相場がどのような形になるのかを考えてみたいと思います。
まず、日銀が利上げを決定した場合を考えてみましょう。
現在市場は利上げを9割織り込んでいますから、おそらく日本株への悪影響は限定的なもので済むでしょう。
どちらかというと、日銀の利上げよりも20日に行われるトランプ大統領の就任式などもある米国株の影響の方が強いのではないかと思います。
また、ドル円については日銀の利上げを織り込んで155円まで下がってきた後です。既定路線の利上げが行われたあとの利上げは穏やかなものになるだろうとの見方から、ドル円156円から157円台まで、小幅ドル高、円安方向に反動が出るのではないかという予想をしています。
一方で利上げが見送られた場合も考えてみます。
ここまでお話ししてきたように日本株は日銀の嫌気して上値が抑えられました。ですから、利上げ見送りによって日本株は多少上昇する可能性はあると思います。ですが、やはり全体的には海外株の動きをにらみながら、神経質な動きになるでしょう。
為替については、9割織り込み済みだった利上げがなかったとなれば、円買いの反動で158円台まで一気に円が売られる可能性があるのではないかとみています。
最後に来週の予定です。
20日米国は休場で、大統領就任式を迎える状況です。注目されてはいますが、就任式で「関税を一気に上げる」「移民制限をかける」「減税を一気に延長する」こういった具体的な政策に言及するとは考えにくい。就任式は無難に通過するのではないかと思います。
注目は24日です。朝方に12月分の日本の消費者物価指数の発表があります。その後だいたい12時から13時の間に金融政策決定会合の中身が発表。それを受けて15時30分から植田総裁の会見になります。
あとは、イスラエルとパレスチナ・ガザ地区の動きです。停戦合意をめぐり少しごたごたがあり若干延びたようですが、人質の解放が始まるとされています。予定通りに進むのか。あるいは交渉決裂ということになると市場が少しリスク回避的になる可能性もある。このあたりも注目です。
「内田稔教授のマーケットトーク」はYouTubeからもご覧いただけます。