千葉県在住の菅野千尋さん(仮名、以下同)は地元が好き過ぎて離れられない28歳の女性。大学も職場も地元で、「生まれてこの方自宅以外で暮らしたことがない」とか。
菅野さんの勤務先は小さな広告代理店で、主に地元企業向けのイベントや広告、チラシなどを扱っています。学生アルバイトやパートの主婦を加えても総勢50人ほどで全員が顔見知り、2代目となる現社長は気のいいおじさんタイプで全社を挙げて飲み会をするのが大好きというアットホームな会社です。
しかし、菅野さんによると「勤務時間や休日出勤が多いなどブラックな割に仕事内容は代わり映えしなくてキャリアアップの実感が薄く、取引先にパワハラ社長やセクハラ店主がぞろぞろいるためか若手がいつかない」という悩みもあるようです。そんな菅野さんの勤務先に突然入社してきたのが、坂道グループ風の清楚系美女。
何をやらせてもそつなくこなす新人離れした実力の持ち主でしたが、メンター役の菅野さんにもプライベートの話は一切しなかったそうです。そして彼女が本採用になって半年ほどすると、驚愕の事実が発覚します。実は、彼女はとんだ食わせ者でした。菅野さんに詳しい話を聞きました。
〈菅野千尋さんプロフィール〉
千葉県在住
28歳
女性
広告代理店勤務
両親と3人暮らし
金融資産200万円(個人)
***
私は地元の大学を卒業した後、地域のイベントや広告を取り扱う代理店に勤務して6年目になります。
代理店というと華やかな職場のイメージがあるかもしれませんが、実際は“何でも屋”で、地域のクセの強い社長や店主を相手にいろいろ大変な思いもしてきました。それでも続けてこられたのは、社内の上司や同僚に恵まれたのと、人と触れ合ったり、一緒に新しいものを創り出したりするのが好きだったからです。
勤務先はパートさんやアルバイトの学生さんを含めても50人くらいなので、社長から新入社員まで、全員が顔見知りです。毎年創業記念日と仕事納めの日には全社員が参加するパーティが開催されるなど家庭的な雰囲気ですが、担当業務によっては労働環境がブラックになったり、コンプラ感覚のないクライアントからパワハラやセクハラ紛いの扱いを受けたりすることもあり、20代の若手の離職率が高いのがネックでした。