働きたい気持ちを絶やさないために「就労移行支援」を提案
どうやら隆さんには働いてみようという気持ちがあるようです。
その火種を絶やしてはいけない。そう思った筆者は次のような提案をしてみました。
「それならば、まずは就労移行支援を受けるところから始めるとよいかもしれません。就労移行支援では、仕事に必要な知識やスキル向上のサポートを行ってくれます。しかも利用料は無料です(※交通費や昼食代などは実費)。また、隆さんに発達障害があることを支援者に伝えれば、それを理解したうえでサポートくれることでしょう。就職先についても、発達障害に理解を示している会社を探すとよいのではないでしょうか」
「なるほど、そのようなものがあるのですね。就労移行支援には興味がありますが、自分1人で支援先へ相談に行くのはちょっと怖いです。うまく話ができるのか自信もありません。何かよい方法はありますか?」
「それならば、最初のうちはお母さまにも同席してもらいましょう。就労移行支援の相談は親子ですることも多いようなので、特に問題はありません。慣れてきたら隆さん1人で行くようにすればよいと思います」
「そうなんですね。少し安心しました」
隆さんはほっとした表情を見せました。