投資先の選定は「自分で情報収集・検証」 VS 「他人の意見」
NISAに限らず投資先の選定は最も悩むところの1つ。みなさん何を基準にしているのでしょうか。調査では投資先の選定基準を質問し、既存投資組と新NISA参入組で集計。結果、既存投資組では「集めた情報を比較した」と回答する人が46.7%と最多。2番目に多い「IR情報などから自分で検証した」も同様、自分で情報収集して検証した結果に基づいて投資先を選定する人が多いようです。
対する新NISA参入組では「投資家ブログで取り上げていた」と回答する人が28.0%と最多。2番目に多い「身近な知人・友人から薦められた」も同様、他人の意見に基づいて投資先を選定する人が多いようで、「集めた情報を比較した」と回答した人は一定数いるものの、割合は既存投資組の半分程度でした。
先ほどの投資成績に対する満足度との関係では、特に「投資家ブログで取り上げていた」「SNSを通じてインフルエンサーから薦められた」投資先を選定した人で、投資成績に不満(「とても不安・不満がある」+「やや不安・不満がある」)と回答する人が多く、他人の意見に基づく投資が必ずしも自分の満足する投資成績に結びついていないようです。
図表5 投資先の選定基準を教えてください
新NISA利用者では「学習経験あり」が半数超
昨今は学校教育にも取り入れられている金融教育。調査結果でも、新NISA利用者で「金融教育が必要」と回答する人が94.1%にのぼるなど、投資で学習の必要性を感じる人は多いようです。実際に学習経験のある人はどの程度いるのでしょうか。
調査結果では、NISAを利用しているグループで「学習経験あり」と回答した人が51.6%と半数を超え、利用していないグループより20ポイント以上高い結果に。実際に投資活動を行うなかで必要に迫られて学習する人が少なくないようです。
図表6 投資に関する金融教育を教わったり、自分で学んだりしたことのある
学習しなくても投資知識に自信がある新NISA参入組
同じ新NISA利用者でも、既存投資組と新NISA参入組で学習経験に差がありそうです。調査では、学習経験の有無の回答について既存投資組と新NISA参入組で集計。
結果、既存投資組では「学習経験あり」と回答する人が58.3%と半数を超える一方、新NISA参入組では39.7%しか学習していない実態が明らかに。もちろん新NISA開始から日が浅いので、今後、新NISA参入組でも学習する人が増えると期待されます。
興味深いのは投資知識に対する自信。勉強していないと自信が持てなさそうですが、調査結果では、既存投資組で自信がある(「とてもある」+「ややある」)と回答する人が42.9%。対する新NISA参入組は59.2%と逆に自信をもつ人が多いという意外な結果に。
学習経験で及ばない新NISA参入組がなぜ自分の金融知識に自信を持っているのでしょうか。先ほど新NISA参入組は既存投資組に比べて投資先の選定理由に他人の意見を挙げる傾向があるという回答結果がありました。他人のお薦めをそのまま自分の自信につなげてしまっている可能性もあるのかもしれません。しかし自分で理屈を理解しているとも限らず、少しでも結果が伴わないと不安に感じてしまうのかも。投資について学習し、自ら考えて投資を行うことで、充実したNISAライフを送ってみてください。
図表7 投資に関する金融教育を教わったり、自分で学んだりしたことのある/投資に関する金融知識への自信に対する、あなたのお気持ち
調査概要
調査主体:株式会社FreeLifeConsulting
調査名:新NISAの利用者に関する意識調査
調査方法: インターネット調査
調査期間: 2024年6月7日~2024年6月10日
調査対象: 全国(都市:都市部:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府/地方:上記以外)の20代〜60代
有効回答: 2,000人