資産運用意欲、過去最高の6割超えも… 「実行」には届かず

調査によると、資産運用意欲は61.1%と過去最高を記録。実際に資産運用を行っている人の割合も40.5%と、いずれも調査開始以来、最高値となった。

 

 

しかし、資産運用意欲がありながら実施していない人は23.4%と、依然として「気持ちはあるけど行動に移せていない」人が一定数存在する。その理由として最も多かったのは「漠然とした不安・リスク」(何となく不安、始め方が分からない、知識がないの合計)で、次いで「運用するほどの収入や貯蓄がないから」という回答が続いた。

 

「漠然とした不安」は若年層ほど顕著 情報提供と相談しやすい環境づくりが課題

「漠然とした不安・リスク」と回答した人の割合は、20代から60~70代まで、年齢が低いほど高くなる傾向が見られた。若年層ほど、資産運用に対する経験や知識が不足していることが要因として考えられる。

金融商品を選ぶ際に何らかのアドバイスを受けたいと考える人は全体の75.6%にのぼった。特に若年層では、家族や友人、金融機関、専門家など、誰かに相談したいというニーズが高く、適切な情報提供や相談しやすい環境づくりが急務と言えるだろう。

 

NISA人気拡大中 年代問わず「新しく始めたいもの」で1位に

「今後保有を増やしたいもの・新しく始めたいもの」としては、「NISA(少額投資非課税制度)」が最も多く、現在保有している金融商品でも「定期預金・貯金」に次ぐ2位を占めた。

 

NISAは、年間120万円までの投資で得られた利益が非課税になる制度。2024年からは制度内容が拡充され、年間の投資上限額や非課税期間が拡大されたことから、関心がさらに高まっているようだ。

物価高騰で家計は圧迫 投資に回せるお金は増やせるか?

今回の調査では、物価上昇に対する不安が根強く、82.2%が不安を感じていると回答。2025年も物価は上昇する、もしくは現状維持すると考える人が92.1%にのぼり、さらなる物価上昇を警戒する様子が伺える。

 

物価高騰の影響で家計が圧迫される中、資産運用に回せる資金を確保することは容易ではない。賃上げがあったと回答した人は全体の24.1%にとどまり、賃上げを「実感」している人はわずか16.1%だったという現状も、投資に踏み切れない要因の一つと言えるだろう。

 

資産運用は、将来の不安を軽減し、豊かな生活を送るための有効な手段となり得る。重要なのは、自分自身のライフプランやリスク許容度を踏まえ、適切な情報収集や相談を行いながら、無理のない投資計画を立てることだろう。

 

【調査概要】

調査対象  全国47都道府県に在住(調査実査時点)の20代~70代の男女

調査方法 インターネット調査

調査数  14,079人

調査時期 2024年4月12日(金)~4月17日(水)

引用元:https://www.metlife.co.jp/data/changerougo/japanproject/pdf/survey_report_2024.pdf