新NISA参入組の6割以上が今の投資成績に不満 背景には短期志向

2024年の株価は4月に一時バブル後最高値を記録したあと、しばらく調整局面(価格の上昇が鈍化し停滞すること)に入り、今回の調査が行われた6月上旬に至ります。みなさん新NISAの投資成績についてどう感じているのでしょうか。

調査では、新NISAの現状の投資成績に対する気持ちを質問し、結果を既存投資組と新NISA参入組で集計。結果、既存投資組では不安・不満がある(=「とても不安・不満がある」+「やや不安・不満がある」)と回答した人が28.6%。対する新NISA参入組では65.6%と2倍以上の差がつきました。

新NISAが開始してまだ半年なので、両者の投資成績にそれほど大きな違いはないと思われますが、なぜ満足度に差が出たのでしょうか。

調査では想定する投資期間を質問し、既存投資組と新NISA参入組で集計。結果、既存投資組では、投資期間が2年未満(=「半年未満」+「半年以上~1年未満」+「1年以上~2年未満」)と回答した人が27.7%。対する新NISA参入組では46%と1.5倍以上の差がつきました。新NISA参入組のほうが投資期間において短期志向の人が多いようです。

図表3 新NISAの現状の運用成績に対するお気持ち/投資の運用期間はどのくらいを想定しているか

 
出典:株式会社FreeLifeConsulting 「新NISAの利用者に関する意識調査」

 投資は預金とも違いますし、すぐ利益が出るとも限りません。そのため短期志向が投資成績に対する満足度を下げている可能性もありそうです。調査では、投資成績の満足度ごとに想定投資期間の内訳を集計。

結果、「全く不安・不満がない」と回答した人では、短期志向(=想定投資期間が「半年未満」+「半年以上~1年未満」+「1年以上~2年未満」)の人が22.2%。満足度が下がるごとに短期志向の人は増えて、「とても不安・不満がある」と回答した人では48%と半数近くに。

時間がかかっても長期的には企業の経済活動の状況が株価にも反映されていくと思われるので、「長期志向」が目先の相場に一喜一憂しない秘訣のようです。

図表4 新NISAの現状の運用成績に対するお気持ち

出典:株式会社FreeLifeConsulting 「新NISAの利用者に関する意識調査」