定年前の漠然としたお金の不安。実は杞憂だった?
定年前の40代、50代の方にとっての老後不安とは、生活する上でお金が足りるのだろうか、という漠然としたものであると思われます。
しかし実際定年を迎えた人たちの話を聞くと、少し様子が変わってきます。お金が足りないから生活のために働かなくてはいけない、と思っている人は意外と少ないのです。
その理由は定年後の収支を考えると見えてきます。
まず、現役時代に支出の大きな部分を占めていた教育費、住宅ローンについては、定年前後になると負担が軽くなったり、払わなくてもいい状態になったりします。
収入面では、65歳から年金を受け取ることができるので、これが一定の収入源になり大きな安心材料となります。また定年後は65歳まで雇用延長をする人が多く、現役時代と比べて収入が激減したとしても、生活費はカバーできます。さらに、サラリーマンとしての勤務期間が長い人は多少の退職金と貯蓄もあるので、それらが不安解消の後押しにもなるのです。
定年を迎えた世代が年金に感じていること
それに、収入が減ることは悪いことばかりではありません。実は自助努力のキッカケにもなるのです。
現役時代は、外食や遊興費もあまり考えなく使っていたのが、収入が減ると共に節約の気持ちが芽生え、飲み会にも必要な時以外はいかなくなる人も増えてきます。趣味にも無尽蔵にお金を使うことを控えるようになるでしょう。このように収入が大幅に減っても「何とかやろうと思えばやれる」という自信がその時から湧いてきます。
年金はその額が少ない云々とよく言われますが、現役の一線から退いた立場から見ると、定期収入のベースとして安心感を与えてくれる存在と言えるのです。