定年後のファイナンシャル・ウェルビーイングと課題解決を考える

最近ウェルビーングという言葉がよく使われます。簡単に言うと「幸せな状態」を意味するものです。また、幸せな状態には多少なりともお金が関係することから、幸せな状態になるためお金にどう向き合うかという「ファイナンシャル・ウェルビーイング」という考え方もあります。お金を単に稼ぐものとして捉えるのでなく、自分が幸せになる手段として考えていくのです。

では定年後のファイナンシャル・ウェルビーイングはどうすれば実現できるのでしょう。

まず第一歩として、お金を得るためには働く必要がありますが、その働くことをお金のためだけでなく「シニアの課題を解決するもの」として捉え直してみてはいかがでしょうか。

前述した通り、シニアの本当の課題はお金が足りないというよりも、人との交流がなくなり孤独になること、健康を維持できなくなることにあります。それらは働くことで解消できる部分もあるのです。

例えば、仕事はその種類に関わらず、職場での交流や人間関係が発生します。それが刺激にもなり生活にハリをもたらします。人間関係で多少のストレスは生じますが、責任ある立場ではないので、そんなに大きいものではありません。仕事も自分の好きな分野を選択し、そこで強みを活かすことできれば、人からも喜ばれ感謝されます。またフルタイムではなく、週数回、1日数時間だけ働くという選択もできます。仕事の時間にあわせて規則正しい生活を送り、通勤時に体を動かせば、それが定期的な運動になって健康にもつながります。お金の不安も、働くことで年金にプラスして収入を得られるので、おのずと解消されていくでしょう。

このように、定年後も働くことは、シニアならではの課題、そしてお金の悩みを解決することに役立ちます。働いてお金を得ることがシニアの課題解決に役立っているのなら、それは「ファイナンシャルウェルビーイング」を高めることになるのではないでしょうか。