推し活出費の「コントロール」がカギ

とはいえ、推し活がいいことばかりではありません。ファイナンシャル・ウェルビーイングの視点から考えるとやはりお金と感動のバランスも考えなくてはいけません。

ここでコスパというと「推しへの支出をコスパというな!」と怒られてしまいますが、「お給料の全額を突っ込んで推しを支えます!」みたいなのは困ります。

株式会社博報堂、博報堂DYグループの株式会社SIGNINGによる「オシノミクス レポート」(外部サイト)では、推し活予算として手取りの37.4%をつぎ込んでいると紹介されており、10代女性はなんと52.8%となっています。

被服費や食費などを削ってバランスを取っている人もいるでしょうが、4~5割の出費はちょっとやりすぎです。目の前の生活も苦しくなりますし、将来的なお金の備えをすることもままなりません。もちろん、借金をして推し活予算と生活費をやりくりするのは論外です。

推し活については、別の調査では月数万円程度の予算にとどめている人も相当の割合があって、どうやら「無制限にお金をつぎ込んじゃうタイプ」と「日常生活はしっかり守って無理なく推し活するタイプ」があるようです。

後者は計画的にお金を貯めて準備したりもするでしょう。「月1万円ずつ貯金して1年後に旅行」のような感じです。こういう性格の人はあまり心配ありません。推し活を上手に楽しみウェルビーイングを高めていきましょう。

そうすると、注意が必要なのは、お金をどんどんつぎ込んでしまう性格の人です。まずは貯金できるくらいの出費に抑えることを意識してみましょう。「愛が強いので減額なんて無理です!」という人もいますが、あなたの「推し」だって、あなたが経済的に破たんすることは望んでいないはず。

これからもずっと、長く、推し活を続けていくために家計をコントロールするのだと考えてみましょう。まずは毎月の家計の黒字化が成立するようにします(ボーナスから取り崩してしのぐことはしない)。できれば手取りの10~15%くらいを貯金できるところまで改善できると理想的ですが、少なくとも月5000~10000円の貯金はしたいものです。

ミュージシャンのファンなどで、年に数回ライブがあるような人は、その分も貯金してみるといいでしょう。「月2万円を貯めて、ツアー初日とファイナルは行く!」のような感じです。

日々のお金の不安を抱えていては、どんなに推しからエネルギーをもらってもウェルビーイングは高まりません。上手に推し活予算を管理し、推しからエネルギーをもらいたいものです。