なぜ、「推し」がある人は楽しそうな表情をしているのか
あなたが幸せを感じることができ、精神・肉体ともによい状態であることはとても大切です。近年、ウェルビーイングについて考えるとき、「推し活」との関係を抜きにすることはできません。
「推し」を持っている人はあなたの周囲にもいると思います。アイドル、アニメ、ミュージシャン、スポーツなど、「推し」は人それぞれですが、その話題を向けるとイキイキと推しへの愛を話してくれると思います。
メンタルが落ち込んでいた人がペットとの出会いで、いきなり元気を取り戻したという話はよく聞きます。たまたまつけたテレビでおもしろい連続ドラマと素敵な俳優に出会って、毎日が楽しくてしかたないという人もいます。
もしかすると、あなたも「推し」があるのではないでしょうか。だとすると、あなたのウェルビーイングが高いことを実感できてはいないでしょうか?
推し活のテーマがある人ほど幸せになれる?
推し活がどれくらい私たちを幸せにしてくれるのか、野村総合研究所未来創発センターの「データで見る日本人の幸福なライフスタイル」(外部サイト)が明らかにしてくれています。
まず、幸福度を「10点満点中8点以上」とした人を抽出し、これを幸福度が高い人とします。そして「推し」がある人とそうでない人を比較してみます。すると、
推しがない人 幸福度が高い人は20.9%
推しが1つある人 幸福度が高い人は31.8%
推しが3つ以上ある人 幸福度が高い人は42.2%
と、推し活をしている人ほど幸福度の高い人が多いことが分かりました。20%と42%ですから、幸福度の高い人の割合は2倍ということです。やっぱり、「推し」の存在は私たちを幸せにしてくれるようです。
家族で共通の楽しみがあることも幸福度を左右します。家族共有の「推し」がない場合、幸福度が高い人の割合は20.9%ですが、共通の推し活があると幸福度の高い人の割合はほぼ半数にあたる48.8%まで高まります。こちらも大きな違いです。
(なお、本調査では旅行や読書、ガーデニング、ゴルフなど「趣味」があることを推しがあると広く捉えており、オタク趣味には限らないことを補足しておきます。家族共有の推し活といっても、アイドルのコンサートに行く必要はなく、旅行やグルメを一緒に楽しむケースでもOKです)