世界幸福度調査が51位と低い日本

毎年3月に公表される世界幸福度調査というものがありますが、日本は毎年ランキングが低いことが話題となります。2024年3月に公表されたランキングでも51位となっています。

このランキング、6つのキーワードで幸福度を分析していますが、日本は客観的な指標では好成績をあげています。具体的には、健康寿命は世界トップですし、GDPも上位の水準です(少なくとも51位ではないですよね)。

ところが、主観的な数字を見る指標で中位~低位にとどまっていることが災いしています。人生の選択に自由があるか、社会的なつながりの有無、政治の腐敗、寄付の有無などを聞く設問があるのですが、いずれも主観的に答えてもらうと、日本はあまり高い得点とならないのです。

東洋の価値観では「私? すごく幸せです!」と答えるより「えー、普通くらい?」と答える人の方が多いことが影響しているのではという意見もありますが、でもやはりもうちょっと高いランキングでもいいように思えます。

そもそも、日本ってそんなに不幸な国なのでしょうか。

先進国の若者が幸福を感じにくい理由とは

もうひとつ、2024年版の世界幸福度調査のレポートで指摘されている項目に興味深い指摘があります。それは「先進国の若者の幸福度は相対的に低い」というものです。先進国の多くでは、高齢者の幸福度と若者の幸福度を比較すると、高齢者の方が幸福度が高くて、若者の方が低くなるというのです。

新興国などでは経済の発展がめざましく、その恩恵を現役世代が強く受けます。生活が日々豊かになっているという実感も得られるのでこれまた幸福度を高めます。

一方で、社会が成熟し高齢社会になると若い世代の生活の変化は小さくなり、どうしても幸福度を実感しにくくなります。むしろリタイアして安定的な生活に入った高齢者の方が、過去の豊かさ獲得の歴史を回顧しつつ、今も幸福度を実感できるのかもしれません。

日本の若い世代が特に幸せを実感できていないのだとしたら、これはもったいないことです。