4. 株主総会では企業トップと直接対話の機会も
「株主総会」と聞くと学生にとっては縁遠い存在に感じるかもしれません。まして、株主総会へ参加するにはその企業の普通株式を1単元(100株)以上持っていることが必須なため、それなりのコストがかかります。しかし、株主総会を就職活動のツールの1つと考えれば、その参加費用(株式購入代金)以上のメリットが得られるはずです。
例えばNTTのような超大企業の株主総会には若者を含む大勢が参加しますが、意外にも、時価総額が1000億円規模の大企業では、参加者自体が少ないケースもあります。特に、BtoB企業ともなれば、参加者は100人を割り込む場合もあり、そのほとんどが中年・高齢者層です。
そんな中で若者が参加すれば、いやが応でも注目を集めるでしょう。企業によっては、代表取締役から直接声をかけられることもあり、企業トップの人柄に触れる貴重な機会となります。
また、株主からの質問として、今後の成長戦略である人材採用の方針や給与水準に関する話を聞くことができれば、企業の将来性を見極める絶好の機会となるでしょう。
投資を通じて培った「企業を見る力」は、隠れた優良企業の発掘、企業研究の深化、キャリア選択の幅を広げるだけでなく、株主総会というユニークな場を活用することで、就職活動を有利に進める上で非常に強力な武器となります。
就職活動の早期化が進む中、学生は「投資」というツールを駆使することで、他者とは一線を画す視点で企業を評価し、自らのキャリアを主体的に切り拓くことができるでしょう。