少子高齢化が進む現代日本において、現役世代の減少は避けられない課題となっている。これにより年金保険料の徴収額が減少し、公的年金制度の持続可能性が懸念されているのも事実だ。しかし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が年金積立金を運用しており、運用益が一定の成果を上げていることから、将来的に私たちが年金を全く受け取れなくなる可能性は低いと考えられる。

それにもかかわらず、メディアの報道や世間の印象から、公的年金が受け取れないと考える人も一定数いる。このような状況下で、企業が提供する福利厚生制度、特に資産形成を支援する仕組みは、若い世代にとってますます重要性を増している。本記事では、就職する企業にあると魅力的に感じる福利厚生制度について、特に資産形成支援制度を含めて考察していく。

変化する働き方と福利厚生の重要性

近年、転職が当たり前の選択肢となりつつある。かつては終身雇用が一般的であり、退職金や企業型年金制度(確定拠出年金[DC]や確定給付年金[DB])が老後資金の主要な柱となっていた。しかし、現代では企業への帰属意識が低下し、1つの企業で長期間働くことを前提とした制度の魅力が薄れてきていると考える。

これに代わり、現代の若い世代が重視している福利厚生には次のような特徴がある。

・フレキシブルな勤務時間やリモートワークの導入

働き方改革が進む中で、柔軟な働き方を求める声が高まっている。学業やプライベートとの両立を図りやすいフレキシブルな勤務時間やリモートワークの選択肢は、多くの学生や若手社員にとって魅力的なポイントとなるだろう。

・資格取得支援やスキルアップ制度

他企業への転職やフリーランスとしての独立を視野に入れた若い世代にとって、職場を超えて活用できるスキルを磨ける環境が重要だ。資格取得費用の補助や研修プログラムの提供は、個人の成長とキャリア形成を支援する有効な手段である。