2.株主視点で企業研究を深掘りする
投資活動では、企業の業績だけでなく、業界動向、競合他社の状況、経営陣のビジョンなど、多角的な視点から企業を見ます。この分析は、就職活動の企業研究でも大いに役立ちます。
また、就職活動で株主の視点を持つことで、企業の利益構造や成長戦略、企業が社会に提供する価値への理解も深められます。実際に従業員として企業に入社して会社の求める人材になれば、株主への利益還元につながるだけでなく、最終的に自身の資産形成にもつながっていきます。イメージとしては以下の図式です。
従業員:給料+キャリア形成
株主兼従業員:給料+キャリア形成+株主への利益還元
さらに、株主として株主総会に参加して経営陣に直接質問をすれば、企業の経営理念やビジョンについて、ホームページや求人票だけでは読み取れなかった情報を得られ、より深く企業を理解することができます。
このように、株主の視点を通じて企業研究を深めることで、面接での企業分析や志望動機を語る際に、自身の体験を元にした説得力のあるアピールへとつながるのです。
3.多様な業界・企業に触れてキャリア選択の幅を広げる
投資を通じて多種多様な業界・企業に触れていると、自身の興味関心や適性を再発見することがあります。これは、就職活動におけるキャリア選択の幅を大きく広げてくれます。
例えば、「商社」と一口に言っても、各社が注力する業界や事業内容は千差万別です。「総合商社」では天然ガスの権益を持つ「三菱商事」、繊維ブランドを持つ「伊藤忠商事」、鉄鉱石や原油権益がダントツの「三井物産」などと得意な分野が異なります。「専門商社」でも、自動車や繊維、鉄鋼など、さまざまな業界があります。また、子会社を通じて新規事業を展開している商社もあり、「将来的には吸収合併される可能性もあるかもしれない」などという予測もできるでしょう。
投資を通じて、このような企業の多様性や将来性に関する知識を得ることで、自分に最適なキャリアパスを選択することが可能になります。