アクティブファンドの魅力は「個性の豊かさ」

アクティブファンドはそれぞれ個性があり、投資先を選ぶ基準もリターン目標もさまざまです。独自の運用手法によってベンチマークとする指数以上のパフォーマンスを追求したり、ユニークなテーマに着目したり、成長が見込める地域や業種に集中投資するようなアクティブファンドもあります。

例えば、「One国内株オープン(アセットマネジメントOne)」は、「自由演技」という愛称の通り、経済環境の変化に応じて、投資スタイルを適宜変更するユニークなアクティブファンド。ベンチマークとしているTOPIXに、過去10年、パフォーマンスが上回っています。

また、テーマ型でいえば、日本の半導体技術に関心が寄せられている中、半導体関連企業に投資する投資信託でその成長を享受するのも面白いかもしれません。代表的な存在として、「情報エレクトロニクスファンド(野村アセットマネジメント)」、「ジャパン半導体株式ファンド(日興アセットマネジメント)」といった投資信託が挙げられます。もし日本の半導体関連企業にポテンシャルを感じているのなら、検討してみてもよいでしょう。

このようにアクティブファンドは非常に「個性豊か」ということができます。そのため、たとえば「インデックスファンドをコアに投資しながら、アクティブファンドにもサテライト的に投資する」など、バランスよく組み合わせて、自分にとってのオンリーワンなポートフォリオを組むのも、投資の醍醐味です。

あえてアクティブファンドを資産形成に取り入れる選択肢もあり

ちまたでよく言われているとおり、インデックスファンドは忙しく働く現役世代が投資を始める際に選ぶのに適しているといえます。例えば、人気の「オルカン」こと「eMAXIS Slim全世界株式」のような商品を一つ持っておけば、非常に低いコストで世界経済の成長をまるまる享受できますし、何より複雑な銘柄選定をする必要がありません。「ほったらかし」にしておけば、投資にかける時間も手間も最小限ですみます。

しかし、インデックスファンドは低コストでシンプルである半面、良くも悪くも市場全体にまるごと投資する仕組みであるため、「平均点」以上のリターンが望めないことには留意しておくべきでしょう。加えて、仮にリーマンショックやコロナショックといった株式市場全体が暴落する局面では、一定期間、指数そのものが大きくマイナスリターンとなってしまうことも過去には幾度となくありました。

そうしたインデックスファンドの特徴を補完する位置づけとして、あえてアクティブファンドを一部組み入れるというアイデアもあります。もちろん、市場平均以上のリターンを長期にわたって安定的に獲得できるファンドは限られますし、過去の成果が将来にわたって再現される保証はありません。アクティブファンドを選ぶ際は、先述した信託報酬や過去の実績に加えて投資方針、ファンドマネージャー(誰が運用しているのか)、資産残高など開示されている情報を踏まえてよく検討したうえで、自分にあったものを選ぶようにしましょう。