資産運用の本にはよく「インデックスファンドから始めよ」と書かれています。とはいえ、インデックスファンドは「eMAXIS Slim」シリーズや「たわら」シリーズ、「購入・換金手数料なし」シリーズ、「SBI・V」シリーズなど、多くの銘柄が存在していて、「正直何を選べばいいのか、違いが分からない!」という方も少なくないでしょう。どのように銘柄を選べばよいのでしょうか。

インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500といった参照指数への連動を目指す受動的な運用を行うことから、銘柄ごとのパフォーマンス差はコストによるところが大きいといえます。

そこで、参考にしていただきたいのが「総経費率」です。総経費率とは運用の実績コストを表すもので、信託報酬とその他の費用で構成されます。

例えばNISA(新NISA)のつみたて投資枠対象インデックスファンド(ETFを除く)のうち、純資産総額の上位10銘柄の信託報酬と総経費率は以下のようになっています。

出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリーおよび各社目論見書より著者作成

運用コストは基本的に小さいほど有利に働く傾向にあります。そこで今回は、NISAのつみたて投資枠の対象インデックスファンドを例に、投資対象資産別に総経費率ランキングを紹介します。総経費率は信託報酬が大部分を占めると想定されるため、信託報酬が昇順で5位(同率も含む)までの銘柄をピックアップし、総経費率でランキング化しました。

国内株は「たわら」、米国株は「SBI・V」と「iシェアーズ」が安い

NISA(新NISA)のつみたて投資枠の対象ファンドのうち、日本国内の企業の株式が投資対象の「国内株式型インデックスファンド」で総経費率が最も小さかったのは「たわらノーロード日経225」でした。アセットマネジメントOneが運用する銘柄で、総経費率は0.14%です。

出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリーおよび各社目論見書より著者作成

続いて、アメリカの企業の株式が投資対象の「米国株式型インデックスファンド」の場合、SBIアセットマネジメントの「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」とブラックロック・ジャパンの「iシェアーズ米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」が同率で1位となりました。

出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリーおよび各社目論見書より著者作成