グローバル株式型の総経費率は?「野村スリーゼロ」は全体でも最安

次に、複数の国や地域に投資する「グローバル株式型」のインデックスファンドランキングを見ていきましょう。

NISA(新NISA)のつみたて投資枠の対象ファンドのうち、全世界の企業の株式に投資する「全世界株式型インデックスファンド」で総経費率が最小となった銘柄は「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」です。SBIアセットマネジメントの「雪だるま」シリーズの一つで、2位の「SBI・V」シリーズ(SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド)よりも低コストという結果になりました。

出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリーおよび各社目論見書より著者作成

次に、欧米や日本など複数の先進国の企業の株式に投資する「先進国株式型インデックスファンド」の首位は野村アセットマネジメントの「野村スリーゼロ先進国株式投信」でした。総経費率は0.01%と、今回調査した31銘柄(未決算銘柄を含めると45銘柄)の中では最小の数値です。同銘柄は2030年12月31日まで信託報酬がゼロとなっていることが、総経費率が安くなった大きな理由です。なお2031年1月以降の信託報酬は0.11%以内で改めて決定されます。

出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリーおよび各社目論見書より著者作成

最後に、中南米、東南アジアなど複数の新興国企業の株式に投資する「新興国株式型インデックスファンド」では、「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」の総経費率0.18%が最小でした。新興国株式型は信託報酬と総経費率のかい離が大きい銘柄が散見されますが、SBI・新興国株式インデックス・ファンドの総経費率は信託報酬とほぼ一致しています。

出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリーおよび各社目論見書より著者作成

目論見書でチェックできるようになった総経費率 注意点は?

ここまで、5つの投資対象別に「総経費率ランキング」をご紹介しました。純資産総額の上位10銘柄で1位、2位を独占したeMAXIS Slimシリーズは、総経費率ランキングでは上位にランクインしたものの、1本も首位に入りませんでした。

eMAXIS Slimシリーズが低コストであることに変わりはないものの、コスト面をとことん追求したい投資家にとっては、別のファンドも選択肢になりそうです。

ちなみに、総経費率は従来、運用報告書等の書類で確認する必要がありました。しかし2024年4月から目論見書(もくろみしょ)にも記載されるようになっています。金融機関のウェブサイトなどで簡単に確認できるようになっているので、銘柄選びの際は目を通すようにしましょう。

なお、総経費率は直近の決算の実績値です。将来のコストを保証するものではないこと、また一度も決算を迎えていない若いファンドは総経費率の記載がないことに注意しましょう。また決算期は銘柄によって異なるため、単純な比較ができないことも知っておきたいところです。