治療に勝る運用なし

昔から相場の格言に「返済に勝る運用なし」という言葉があります。これは借金があるなら、不確定な投資をするよりも確実に返済をする方が利息を抑えることもできるので、借入金利分、確実な利回りを得られるとも言える、という言葉です。

ただ格言とはいえ、今の日本の主な借り入れといえば住宅ローン。その金利も変動金利であれば1%を切っている低金利になりますので、この「返済に勝る運用なし」は必ずしも当てはまらないかと思います。

この「返済に勝る運用なし」という言葉をきっかけに感じたことが「治療に勝る運用なし」になります。

それでも投資をやめないためにできることは?

不測の事態に備えて民間の保険に加入しておくのも1つの方法ですが、よく考えてみれば、投資というのは自分が体調を崩しても代わりに運用をしてくれる存在です。特に投資信託を使った投資は、うつや病気で相場を見る余裕がない時でもお任せすることが大いに可能です。これは本当に優れた仕組みだと思います。

何度もお伝えしてきましたが、投資信託の良さは銘柄を入れ替えながら運用してくれるところです。運用のタイプで分けると3つのタイプに分類されます。

アクティブファンドと呼ばれるタイプは、ファンドマネジャーが銘柄を選定し運用するファンドです。そして、市場や特定のテーマの動向などを表す指数(インデックス)に連動するよう運用されるインデックスファンド。3つ目が複数の資産(株式や債券や不動産など)を組み合わせて運用するバランスファンドです。投資信託であれば、自分で銘柄を選ぶ必要がなく、運用会社がファンドのコンセプトに沿って運用してくれます。

さらに、銀行引き落としやクレジットカードを使えば、給料から忘れずに積み立てもできます。これは企業型DCやiDeCo(個人型確定拠出年金)でも使われていますが、まさに継続は力なりという原則を体現する仕組みです。私もその便利さを実感しています。

「お任せ」「ながら投資」は人生のリスクを減らす

もしもの時に投資をやめないために「ながら投資」の仕組みを早めに(元気なうちに)作っておきましょう。通常時であれば仕事をしながら、体調が悪い時は治療をしながら、というように投資を続けられ、そして資金が必要であれば、取り崩すこともできます。結果的には守りのお金になると思います。

長い人生の中、山あり谷ありだと思います。投資以外の部分(健康や精神衛生など)もしっかり対策をしていただければと思いますが、「投資をやめない」仕組みづくりも人生の助けになるのではないかと思います。