これまで運用を中心にどちらかというと前向きな内容でコラムを書いてきましたが、今回はいろいろと大変なことがあるよ、ということについて書いてみたいと思います。

相談をお受けしていると、つらい場面に遭遇することもございます。せっかく順調に投資を続けていても断念せざるを得ない事態に陥るかもしれません。少しでも対策を取っておきたいのではないでしょうか。

投資を断念するケース1

これはうつ病を含む気分障害と言われる年齢別の患者数のグラフになります。いわゆる働き盛りと言われる40~50代の患者数が多いことが見て取れます。多くの要因でストレスを抱えやすい時代であることを考慮に入れると、さらに投資により、ストレスを抱え込むのは本当に良策ではないと感じます。

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出所:男女共同参画白書 男女別・年代別気分障害総患者数(令和2(2020)年)


病気になってしまうと、これまで通りの仕事だけではなく、投資を続けることも難しいかもしれません。

会社員の生涯年収は2億円とも3億円とも言われています。税金や社会保険料を引いた手取りで考えても年収の8割、1.6億円~2.4億円になります。そのような大きなお金を投資で稼ぐことができるのは一握りの人だと思います。働くことで得られる効果は非常に大きいと思います。

投資の不確実性に挑む前に健康を優先し、良い状態になってから投資に復帰しても遅くないかもしれません。

投資を断念するケース2

他にも病気関係で言えばがんがあります

生涯という視点で見れば、日本人では男性は2人に1人、女性は3人に1人ががんに罹患するデータが出ています。ほとんどは60歳以降なのですが、若い方でがんを発症している方もいらっしゃるのは事実です。

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出所:2019年 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)


しかし、がんは「治る病気」になりつつあります。日本の場合、健康保険(治療費は3割負担で済むことや高額療養費制度の利用)での治療であれば、治療費が大きくかかるわけではありません。それでも投資を断念するとしたら、おそらく、休職や転職などによる収入減が、続けられない理由として大きいように感じます。