次に過去の実績で比較してみます。

過去の実績では引き分け

最近では「アクティブFの大半はインデックスFに勝てない」という見方が定説となっており、インデックスFが人気化しています。本当にアクティブFの運用成績はインデックスFに及ばないのでしょうか? 実際にデータを検証してみましょう。測定期間の長さとサンプル数の多さから、ここでは日本国内で販売されている日本株ファンドを例に見ていただきます。

過去の実績

国内株式に投資する国内籍投資信託における
アクティブFとインデックスFそれぞれの平均リターンの差(注)

(注)アクティブファンドの平均リターンは、野村総合研究所Fundmarkによる分類で、国内株式/一般/フリーのカテゴリーに分類されるファンドの同研究所が算出するカテゴリー平均(NRI-FPI)リターン。インデックスファンドの平均リターンは、同分類で国内株式/インデックス/TOPIXのカテゴリーに分類されるファンドのカテゴリー平均(NRI-FPI)リターン。  各年で年末までの12ヶ月リターンの差を計算。
出所:野村総合研究所Fundmarkのデータを用いて株式会社お金の育て方が計算

 
アクティブFの平均リターンとインデックスFの平均リターンを年ごとに比べました。その優劣は比較する期間の長さやタイミングによって大きく異なるため、過去の実績でも優劣がつけ難いことがわかります。なお、2013年から22年までの通期では若干(年率0.3%)アクティブFが優位ですが、両者にはほとんど差がないと言ってよいでしょう。

今後はアクティブFが活躍する余地が拡大か?

それでは今後についてはどのように考えればよいでしょうか。

アクティブFおよびインデックスFそれぞれの投資戦略の有効性がより高まる市場環境をまとめました。

技術革新や産業構造の変化で相場の主役が交代し、また新たなビジネスの誕生で新規に株式公開を行う企業が増加していく株式市場環境。インフレ基調が定着し金利が上昇/高止まりする中で、自らの商品サービスの価格決定力や借入金依存度によって企業間格差が拡大する経済環境。こうした市場/経済環境が今後起きる可能性が高いと思われる方は、アクティブFの利用も検討される価値があるでしょう。

また、インデックスFが人気化し、より大きな資金が集まるということは、各企業の業績や財務状況の良否に関わらず全ての企業の株式が同じように買われるということになります。そうした環境では、アクティブFが、優良企業の株式にその企業の実力に比べて割安な株価で投資することが可能ですし、逆に事業内容の思わしくない企業の株式をその実力よりも割高な株価で売却することも可能となります。

インデックスFの人気が高まれば高まるほど、アクティブFが活躍する余地が拡大するわけです。

アクティブFの付加価値を再評価するべき時かもしれません。

今後の可能性

出所:株式会社お金の育て方