上場来高値からの調整後に反発 24年4月に1:5の株式分割

野村不動産ホールディングスが4月24日に本決算(2025年3月期)を公表しました。業績は過去最高を更新しますが、市場は売りで反応し、株価は公表前から3.8%ほど下落しています。

とはいえ、中長期ではおおむね順調です。2024年5月の上場来高値918.8円まではほぼ右肩上がりに上昇しました。同年8月には658.6円まで下落したものの、その後に盛り返し、現在は840円台での売買です。直近5年の株価騰落率は139.0%(2.4倍)に達します。

【野村不動産ホールディングスの株価チャート(過去5年間)】
・株価:846.9円(2025年4月30日終値)

 
出所:Tradingview
 

決算では今期(2026年3月期)の予想配当金も公表されました。1株あたりで36円を予定しており、予想配当利回りは4.25%です。野村不動産ホールディングスは2025年4月に1:5の株式分割を実施しており、配当金が計画どおりなら分割考慮後で前期比2円の増配です。

【野村不動産ホールディングスの予想配当利回り(2026年3月期)】

・予想配当金:36円
・予想配当利回り:4.25%

出所:野村不動産ホールディングス 決算短信

配当利回りが高い野村不動産ホールディングスはNISAでの需要もありそうです。配当金には約2割の税金が生じますが、NISAなら非課税で受け取れます。NISAでは成長投資枠で株式に投資でき、その年間投資額は最大240万円です。

たとえば野村不動産ホールディングスの場合、足元の株価水準なら2800株まで買えます。今期の予想配当金36円で計算すると、総受取配当金は10万800円となります。本来は約2万円が税金で、手取りは約8万円ですが、NISAならそのまま受け取ることが可能です。

ただし、配当金は確実に得られるという保証はありません。また、株式投資の損益は株価変動によるものが大きく、1日で1~2%ほど変動することも珍しくありません。年4%の配当金は比較的高い水準ですが、それでも株式投資は株価の見通しを持つことが大切だといえます。

株価の見通しを探るなら、業績の見通しは重要な材料になります。今回は野村不動産ホールディングスを取り上げ、業績の推移と中長期の目標を解説します。