少額で分散投資するとパフォーマンスが比較できる
100円からの投資信託の積み立てや、1株からの個別株投資。この少額投資をすることで、投資に慣れるだけでなく「分散投資」が可能です。
資産を一点集中させると、その一点が外れたときに耐えることができません。例えば手元に100万円があれば……その100万円で1社の株を買うよりも、10万円×10社に分けます。なるべく多くの株を買うことで、投資先の1社が仮に倒産しても、あなたの資産がゼロになることはありません。元手が少ない場合でも、1社あたりの投資額を下げることで、分散の効いたポートフォリオ(資産構成)を作ることができるのです。
また、少額投資は「パフォーマンス比較」にも役立ちます。例えば、一般的には“全世界型と米国型の株式投資信託を一緒に買っても、あまり意味がない”と言われています。商品にもよりますが、全世界型の株式投資信託には米国株が含まれていることが多いためです。
しかし、それでも私はこの2つを毎月購入しています。その目的こそが、パフォーマンス比較です。具体的に言うと、私は毎月10万円の投資信託を積み立てしているのですが……うち9万円は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、つまり米国型の株式投資信託を購入しています。そして残りの1万円分は、パフォーマンスを比較したい10銘柄に1000円ずつ分散投資しているのです。この10銘柄の中には「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」、つまり全世界型の投資信託も含まれます。
積み立て投資のうち9割は、自分の投資方針に合う銘柄を選ぶ。そして残り1割は、自分が気になっている銘柄をいくつか選び、少額で毎月積み立てしていく。複数銘柄を持つことで、各銘柄が実際にどれだけ収益を生むか、そして実際にどれだけ値動きがあるのか……といった点を体感することができます。
このように複数銘柄のパフォーマンスを比較することで、「ここ数カ月の動きを見ていると、こっちの銘柄に乗り換えた方が良いかも」といった点も見えてくるのです。