2.証券会社に万が一のことがあっても大丈夫?
質問
「個別株やETFの取り扱いがある証券会社を選んだ方がよいと聞きますが、これまで全く取引をしたことがなくて不安です。昔、経営破たんした証券会社もありますが、万が一そうなってしまった場合、お金はどうなるのでしょうか?」
回答
万が一証券会社が破たんしても、預けたお金がなくなることはない。
証券会社が投資家から預かっている株式、債券、投資信託などの有価証券は、証券会社が破たんしても確実に投資家に戻るように、自社の資産とは区分して管理することが法律で義務付けられています。これを「顧客資産の分別管理」と言います。
万が一、何らかの理由で証券会社が分別管理の義務違反をした場合は、証券業界で作る「日本投資者保護基金」が1人あたり1000万円を上限に補償することになっています。これを「投資者保護基金制度」と言います。なお、1998年の日本投資者保護基金の設立以降、実際に顧客に対して補償を行ったのは2例で、直近は、2012年に経営破たんした丸大証券(本社:東京都)でした。同社は、経営破たんに陥った際、顧客から預かった資金を分別管理せずに使い込んでいたことが発覚し、基金が顧客資産の補償を決めました。
このように、個人投資家が証券会社に預けている資産は、二重のセーフティーネットによって守られています。
3.新NISAの商品は「お墨付き」と考えていい?
質問
「新NISAの商品は、金融庁が選んでいると聞きました。つまりは、優良な成績を収めている商品が選出されていると考えてもよいのでしょうか?」
回答
「お墨付き」が与えられているのではなく、投資初心者が円滑に資産形成を始め、継続できるよう、一定の基準が設けられているに過ぎない。
新NISAの対象商品は、投資信託の運用を担う運用会社が自ら届出を行ったものを、社団法人投資信託協会が取りまとめて公表しています。金融庁は、NISAの監督官庁として、対象商品の「基準」を作成しているに過ぎず、また、投資信託協会も、個別の投資信託の良しあしを判断しているわけではありません。
したがって、各投資信託が安定した成績を収め、長期にわたって投資家の支持を集められるかどうかは、あくまでも運用会社の手腕にかかっています。その点でも、商品について一定の知識を備え、自分が納得して付き合える商品を選ぶことが重要と言えます。