資産形成層は「つみたて投資枠」をフル活用する

資産形成層は、何も悩む必要はありません。月々、できる範囲の金額をひたすら積み立ててください。新NISAはつみたて投資枠だけで年間120万円の枠がありますから、大半の人はこれだけを使い続ければ十分でしょう。投資対象も、全世界株式に投資するインデックスファンド1本に絞ります。するべきことはただこれだけです。

少額投資の落とし穴に注意!

ただし、少額資金で積み立てていったとしても、なかなか1800万円もの枠を満たすことはできません。よく少額投資を勧めるような意見を聞きますが、そのペースではまったく資産形成になりません。

たとえば月1万円をコツコツ投資しても、元本で1800万円の枠を満たすためには1800カ月かかります。150年間です。

何もしないよりは幾分かマシですが、30歳から65歳までの35年間、ずっと毎月1万円を積み立てたとしても、この間に積み上げた元本部分はたったの420万円です。せっかくの非課税枠なのですから、できるだけ1800万円を満たせるような計画を練る必要があります。

理想の積立金額はどれくらい?

かといって30歳から毎月10万円を積み立てるのは、恐らく大変でしょう。だから30代は毎月3万円ずつ、そこから40代、50代、60代というように少しずつ積立金額を増やすという方法を考えてみてください。たとえば次のようにします。

<積み立て金額の例>

30歳~39歳(120カ月)=毎月3万円
40歳~49歳(120カ月)=毎月4万円
50歳~59歳(120カ月)=毎月5万円
60歳~64歳(60カ月)=毎月6万円

このように積み立てていくと、65歳になった時点で1800万円分の投資元本を積み上げられます。しかも、30歳から積み立てている分はかなりの期間、運用をし続けていますから、それに応じた運用益も出ているはずです。

積み立てた元本部分は1800万円でも、30歳から64歳まで35年間運用し続けているわけですから、恐らく3000万円、3500万円くらいの資金にはなっているでしょう。