ご存じの方は多いと思いますが、新NISAは制度そのものが恒久化され、非課税期間は無期限化されました。

これによって新NISAの使い勝手は飛躍的に高まりました。制度が恒久化されたので、「いつまでに枠を使わないともったいない」などと考える必要がなくなりましたし、非課税期間が無期限化されたので、運用し続ける限り、その間に生じた運用収益はすべて非課税扱いになります。

ただ、このように期限を決められることなく、いつまでも非課税で運用できるとなると、新たな悩みが生じてきます。それは、「いつまで運用すればいいのだろう」ではないでしょうか。つまり出口戦略の考え方です。

資産を取り崩すなら「定率引き出し」がベター

ネットで検索をかけると、結構、新NISAの出口戦略については説明されています。たとえば「運用しながら毎年、運用資産の4%未満ずつ解約すれば、30年以上資産が持つ」とか、「毎月、運用しながらその一部を定率で引き出す」、あるいは「定額で引き出す」といったことです。

どれが良いのか迷ってしまいますよね。ベターな方法を選ぶとしたら、定額引き出しよりは、定率引き出しを選ぶべきでしょう。その方が、資産寿命を長くできるからです。

運用しながらだと、その途中でマーケットが下落して保有資産の評価額が目減りすることもあれば、逆にマーケットが上昇して増えることもあります。それが繰り返されるなかで、保有資産の評価額が目減りした時に定額で引き出してしまうと、定率で引き出した時に比べて、資産の持ちが悪くなってしまうのです。

たとえば毎月3万円を引き出すとします。運用資産が100万円で、80万円まで目減りした時に3万円を引き出すと、引き出し後の残高は77万円です。

対して毎月3%ずつ引き出す場合、同じように80万円に目減りした時の引き出し額は2万4000円なので、引き出し後の残高は77万6000円です。3万円を引き出した時に比べて引き出せる金額は少なくなり、その分だけ、当月の生活は苦しくなるでしょうが、その時は節約を心がければ良いのです。