デメリットは資産が目減りするプレッシャー
しかし、定率引き出しでも定額引き出しでも良いのですが、この「運用資産の一部を解約して引き出す」ための出口戦略は、いずれにしても運用資産の一部を継続的に取り崩していくことになるため、マーケットの下落とは別に、運用資産は時間の経過に伴って徐々に目減りしていきます。
果たして皆さんは、それに耐えることができますか。
少しイメージしてみてください。雇用延長を終える65歳の時点で、新NISAの口座には2000万円の運用資産がありました。そこから定率引き出しでも定額引き出しでも良いのですが、生活費に充当するため引き出していったとします。
70歳になった時、運用資産の額は1200万円になっていました。
75歳になった時は、900万円になっていました。
ここでふと考えませんか? 「85歳まで生きたとして、残りはあと10年。手元には900万円しかないけれども、これで10年間を乗り切れるのだろうか」と。
そうなのです。毎月の引き出し額は少額でも、長く続けば徐々に運用資産は目減りしていきます。自分はそのプレッシャーに耐えられるのか、ということを考える必要があるのです。
「スッカラカンになったら生活保護でも申請すればいい」と割り切れるなら、それもまた人生かもしれませんが、それだけは避けたいと考える人も多いでしょう。そうならないようにするためには、まず十分なインカム収入を受け取れるようなポートフォリオを考えることが大事です。