「保険」という言葉は、日常会話にも頻繁に出てくることがあります。
例えば、「旅行中に雨が降ると困るから、“保険”として傘を持っていこう」とか、「準備が間に合わなかった時のために、この書類は“保険”として残しておこう」といった風に使います。要は、万が一の時に困らないようにするための備えという意味ですね。
万が一の備えは、モノであったり、人であったり、お金であったりします。
例えば、災害時の持ち出し品を一揃えリュックに入れて準備をするというのは、万が一に「モノ」で備えています。また同様に災害時には近所で声を掛け合って、早めに避難をしましょうというのは「人」で備えています。そして水害にあった家を、修理したり建て直したりするために「お金」で備えるのが、保険です。
このように万が一の備え方は複数あり、それぞれに役割があります。例えば保険商品での備えは、経済的な損失を抑えるためのものなので、心の万が一や思い出の万が一には備えることができません。
従って、保険を考える際に最も重要なことは、「それは保険で備えるべきことなのか」の見極めです。また保険でカバーできる範囲にも限界があることを知る必要があります。なんとなく「お守り代わりに」などと保険を表現することがありますが、保険はお守りではありません。あくまでもある一定の経済的損失に備えるための手段として、過大評価も過小評価もしないように心がけましょう。