「神改正」と称賛の声も聞く新NISA、あなたはもう始めましたか? たくさんの期待を寄せられながら、ついにこの1月から新NISAがスタートしました。

新NISAの理解を深める前に、2023年までのNISA(以下、特に2023年内まで投資可能だったNISA制度を指すときは、旧NISAと表記)の「一般NISA」と「つみたてNISA」がどのような制度だったかを今一度確認していきましょう。なぜなら新NISAは旧NISAのいいとこ取りだからです。

NISAの誕生は2014年でした。イギリスで国民の資産形成を支える税制優遇制度「ISA」を模してNIPPONのNを頭につけたのが由来です。日本語表記は「少額投資非課税制度」、投資はむしろ少額から始めた方が良い、投資で得た利益には税金をかけないという2つのメッセージを乗せて始まりました。投資で得た利益に税金がかからない特別な口座、それがNISAです。

制度誕生の背景としては、日本人が保有するお金の多くが金利のつかない預貯金に眠ったままになっているので、投資に回し、世界の経済成長の恩恵も受けられるようにとの願いも込められています。

NISAは特定の金融商品ではなく、あくまでも「口座」です。普通の口座と異なり、年単位で管理がされますので、一度口座を開設すると自動で毎年新しい口座が作られます。

最初にできた旧NISAは、1年間に投資できる金額は120万円(スタート当初は100万円)、非課税期間は5年でした。のちにこれは「一般NISA」と呼ばれるようになります。この口座では、株も買えるし投資信託も買えるし、しかもいつでも解約可能と自由度が高い点が評価されました。

しかし非課税期間は5年と短く、期間が終了すると当然ながら利益には20.315%が課税されましたから、長期での資産形成を支える仕組みとしては不満が残りました。一般NISAの場合、非課税期間が終わると翌年開設されるNISA口座を利用してもう5年間非課税運用を継続できる「ロールオーバー」という仕組みもありますが、これだと新たな投資のための枠が消費されてしまうので、もっと投資をしたいという場合はメリットになりません。

2018年に創設された「つみたてNISA」は、非課税期間が20年と大幅に拡大しましたが、今度は年間投資可能金額が40万円と縮小されました。さらにつみたてNISA口座で投資ができる金融商品は、金融庁が定めた基準を満たす「長期運用に適した低コストの投資信託」のみに限定されました。

このいきさつとしては、一般NISAの運用益非課税という特徴に惹かれ不用意に短期の売買を重ねたり、長期の資産形成にはふさわしくない商品に投資をしたりと、一般NISAでは本来の目的である「長期の資産形成」になかなか結びつかないという指摘があったからです。

そこで資産形成の王道と言われる「長期・積立・分散投資・低コスト」が投資に不慣れな人でも実行しやすいようにと、あらかじめ“仕組み化”されたものがつみたてNISAだったというわけです。