2024年から始まる新NISAが注目されていますが、老後のための資産形成であれば、iDeCoも忘れてはいけません。iDeCoとは個人型確定拠出年金のことで、老後資金のための専用積立口座です。もちろん税制優遇があります。
税制優遇に関していえば、iDeCoの税制優遇はむしろNISAより優れています。例えばiDeCoは老後のための積立を行う特別な口座ですが、その際毎月の積立金は収入から控除されるので、その分所得税と住民税がお得になります。iDeCoでも投資信託などで資産運用を行いますが、その際iDeCoで生まれた利益には、税金が掛けられません。ここはNISAと同様の税のメリットとなります。
一方NISAと異なり、iDeCoは資金の引き出しが60歳まで制限されます。万が一積立の継続が困難な場合は積立額を減額する、あるいはしばらく積立をお休みするという選択肢がありますが、途中での引き出しは一部の例外を除き認められません。その代わり、60歳以降75歳までの任意のタイミングで引き出しができますし、その際も税の優遇があります。
ちなみにNISAはイギリスの制度を模したものなのですが、iDeCoはアメリカの制度401(k)を輸入してきたものです。それぞれ海外の成功事例を日本に持ってきたわけですから国の意欲が感じられます。
確かにiDeCoは加入年齢に制限があるので、50代の方は敬遠する傾向がないとも言えません。しかしiDeCoの特徴はその税の優遇にあるので、50代とはいえ「もう老後は目の前だし、時間がないのでは?」と躊躇する必要はなく「収入があるうちは、できるだけiDeCoで積み立てて、税のメリットを最大限受け取る」が正解なのです。