②株は「企業の財務的な安定性」を重視する
では続いて、株を買う場合について考えてみましょう。こちらも、新NISAでの長期投資を前提にする場合、結論から言うと「一発逆転狙いではなく、安定した企業の株を選ぶ」という視点を持つことをオススメします。
株式投資では、「テンバガー」といった言葉があります。これは、買った株式の価格が10倍になることを指します。もし100万円で買った株が1000万円になったら……と考えると、なんとも夢のある話です。ただ、このテンバガーを本気で目指すには、相当のリサーチ力や判断力が必要になります。
これから伸びる分野はどこか。その分野に強く、まだ注目されていない企業はどこか。まだ話題にすらなっていない企業に誰よりも早く投資し、芽が出るまで待ち続け、その読みが当たった場合のみ、テンバガーを達成できます。
このように、テンバガー狙いは単純に難しいだけでなく、リスクも相当高くなります。また、投資対象企業の規模が小さい場合が多く、芽が出る前に資金繰りで失敗し、倒産……といった可能性もあります。投資した企業が倒産すれば、当然、株式は無価値となってしまいます。
したがって、資産形成のために株式投資をするのであれば、やはり「財務的に安定しているか」が重要なポイントとなります。売上高や利益が、年々少しずつでも伸びているか、債務超過(=資産よりも負債の方が大きいこと)になっていないか、などを気にする必要があるのです。
しかし、正直なところ、このような安定企業はすでに株価もある程度高くなっていることがほとんどであり、テンバガーを狙うことは困難です。
そのため、株価の急上昇は見込めないけれど、倒産のリスクが低く、ゆるやかに成長していく……このような企業であれば、新NISAで一生持ち続ける価値は十分にあると言えます。