新たな道で感じる確かなやりがい

それからは週に3回お寺で働くことに。お寺では、来訪者の悩みを聞き相談に乗ることになりました。相談者も真剣ですから、Mさんも真剣に傾聴します。週末には時々法事もこなしています。

また、主にはお寺での仕事をしていますが、前にいた会社とも関わりが続いています。資産運用の記事投稿など、一部の仕事を業務委託の形で請け負っているのだそうです。

「仏教の勉強が一番興味を持っている分野ですが、長年続けてきた金融関係の知識や経験は自身の強みとなっていて、人に貢献もできるので、細々と続けていきたい」とMさんは言います。「学び」がMさんの人生の基軸になっているので、資産運用においては今後も専門家の勉強会などで学び続けたいと思っているそうです。

トリプルキャリアのすすめ

キャリアは1つに絞る必要はなく、キャリア理論では「トリプルキャリア」と言って複数の仕事を無理なく同時にやるという考え方があります。

Mさんのケースで言えば、自分の価値観に基づいてやっていることは「僧侶」の道、自分の強みを活かす仕事は「資産運用」の道、そして2つとも、それを求めている人に貢献していることになります。また2つ道での学びが関連し参考になることもあります。

現役サラリーマンの方も、いま関わっている仕事の知識・スキルを広め深めることで、定年後のキャリアを複数に広げられるでしょう。