利息計算期間の実日数について
先ほどの事例のように、半年だから単純に2分の1にするという計算方法は、実際でも債券の利息計算で比較的よくみられる方法です。ですが、債券以外、つまり普通のお金の貸し借りなどの場合には、日本においては、利息計算期間の実日数を365で割るという方法が最も一般的です。
一般的には、「A/365」「Act/365」などと表記される計算方法 ※2です。この表記中のAとかActは実日数を意味するActualdaysの略です。
※2 債券でよく用いられる「半年なら2分の1」というような単純な計算方法でも、実際には、端数期間が生じたらどう計算するのかといった細かな規定によりいくつかの異なる計算方法が存在します。また、利息計算期間の実日数で計算する方法でも、分母となる年日数の部分を閏年にかかわらず“365”で固定して計算するものや、閏年の場合は“366”にするもの、あるいはなぜかいつでも“360”で計算するものなど、さまざまな計算方法があります。
実日数を使った計算をするためには、利息計算期間の初日と最終日の日付の情報が必要になります。そして、その日付のあいだの日数を数えます。
たとえば2022年3月22日から同年9月22日までなら184日です。実際に数えるのは大変ですが、エクセルなど日付関数機能が備わっている計算ソフトなら、たんに「利息計算期間最終日-利息計算期間初日」と引き算をするだけでOKです。
この場合の利息額の計算は、年日数を365とすると、
100万円×5%×184/365=25,205円
となります。ちなみに、日本円では利息額を計算して端数が出た場合には、円未満を切り捨てるのが慣行です。
ここで説明した利息計算日数の計算は、片端計算と呼ばれるものです。半年だとわかりにくいので利息計算期間初日が9月21日で、最終日が9月22日としてみましょう。この利息計算日数を1日と数えるのが片端計算です。初日と最終日のどちらか片方しか算入しないということですね。
これに対して、まれに両端計算というものもあります。初日と最終日を両方数えて合計2日と数える方法です。お金を9月21日に借りて、翌22日に返すとすると、お金を借りている期間は普通に考えると1日になるはずです。
貸した人にとっては、お金を貸した21日にはそのお金は使えませんが、翌22日にはお金が戻ってくるので使うことができます。ですから、通常は金利を1日分もらえば済むはずです。
そう考えると片端計算が普通の計算方法で、両端計算だと金利を1日分重複して計算していることになります。