金利で利息を計算し、収益性を判断する
まず、利息は、
元本×金利(利率)=利息
という形で計算できます。実際の計算では、どのくらいの期間にわたって利息を計算するのかという情報が必要ですが、ここでは概念を理解することに重きを置いているので、とりあえず期間の話は無視します。
さてここで、元本と利息の額がわかっているとして、金利(利率)を逆算する式に変えてみましょう。
金利(利率)=利息/元本
ということです。これを、何かに投資する投資家の立場に立った場合の一般的な用語を使って書き換えれば、次のように表すことができます。
収益率=収益/投資額
収益率は、投資した額と、それによって将来得られる収益がわかっているとして、その比率を計算するものであり、投資をするべきかどうかを決定するために収益性の高低を判断する指標となります。
たとえば、この後、何度も登場する債券は、企業や国がお金を借りるための重要な手段ですが、一般的には将来得られる収益の額があらかじめわかっています。
そこで投資家は、その債券に投資することが十分な収益性をもたらすかどうかを、収益率を計算することによって判断するわけです。この収益率のことを、とくに債券の場合は利回りと呼びます。
債券利回りは、債券投資の収益性を判断する目的で計算される金利の一種であり、したがって債券利回りを金利と言い換えることも可能です。
ちなみに、収益率の計算は株式投資でも、あるいは会社の事業計画でも、同じように適用することができます。そういう場合にも収益率を利回りと言い換えることはありますが、利回りという言葉は、明確な定義があるわけではないにしろ、その収益率の計算がある程度の確度をもっている場合に使われることが多いようです。
したがって、収益率を高い確度で計算できる債券の場合は収益率を利回りと呼び、さらにそれを金利と言い換えることも可能になります。