金利を使えば、投資すべき金額を計算できる

さて、先ほどの金利計算の式はもうひとつ別の変換が可能です。覚える必要はまったくないので式としては表しませんが、将来得られる収益の額と金利がわかれば、元本額を計算できるというものです。

元本なんて計算しなくてもわかっているはずではないかと思われるかもしれませんが、この元本を価格と置き換えてみてください。

そうすると、将来得られる収益額がわかっていて、目標とする収益率があるとすれば、その2つからいくらの価格で投資をすればよいかがわかることになります。これが金利の3つ目の役割です。

たとえば、ある一定の金利水準のときに、その金利を使えば、債券などの金融商品のあるべき価格が計算できます。あるいは、賃貸用の不動産に投資するときに、賃貸料の見込みと、目指すべき収益率から投資すべき金額が計算できます。

これは一般に、現在価値計算といわれるものです。そして、この計算に使われるときの収益率や金利を割引率と呼んでいます。

本記事では、この割引率の登場機会があまり多くはありませんが、より専門的な金融実務では非常に重要となる金利の使い方のひとつです。

ということで、金利には、1:利息を計算する、2:投資対象の収益性を判断する、3:投資対象に投資すべき価格を計算するという3つの役割があることがわかりました。

ここでの説明は簡略化しているのでイメージがしづらいかもしれませんが、詳しい説明は追々としていきますので、まずは「金利にはいろいろな使い道があるんだな」と捉えてもらえばよいと思います。