郷田航さん(仮名)は都内の賃貸マンションで妻と幼い娘と3人暮らし。夫婦ともに「住宅ローンの返済に追われるような生活はしたくない」という意見で、結婚してから10年間ずっと賃貸ライフを送っています。

ところがオール電化の郷田さん宅は、今年に入ってからエネルギー価格の高騰で電気代が1年前の倍以上になり、さらに4月の賃貸契約更新で家賃が2万円値上がりすることに。家計を維持するのが難しくなり、生活に余裕がなくなりました。

そんな時、郷田さん一家は友人家族の住む分譲マンションに招かれます。そこで賃貸マンションとは全く違うエントランスや居室のつくりを目の当たりにし、友人の「ある言葉」にショックを受けます。賃貸生活を選んだのは失敗だったのか――。思い悩んだ郷田さんは……。

●「賃貸って…」友人の言葉に絶句
※前編【賃貸暮らし夫婦が言葉失う…「持ち家」友人に言われたショックな事実】からの続き

妻に促され「お金の専門家」に相談

「住宅ローンに縛られて、やりたいことを我慢するような生活は絶対にしたくない」。そんな思いからこの10年間、賃貸生活を謳歌してきたわが家。共働きで家賃を払ってもそれなりの余裕があり、わずかながら貯蓄もできたし、親子3人の生活を楽しんできました。しかし、昨今のインフレで、そんな生活に大きな疑問符がつきました。

電気代が倍以上になり、家賃も4月から2万円アップします。にもかかわらず、妻も私も給料は据え置き。多少のベースアップはあったとしても、健康保険や雇用保険の保険料が上がりますから手取りは実質減でしょう。

そんな時にマイホーム派の友人のマンションに招かれ、私たち夫婦の心は揺れました。分譲マンションはやはり立派で住み心地が良さそうだし、固定金利ローンを利用した友人の返済額はわが家の家賃を大きく下回っていたからです。「賃貸って毎月の家賃を捨てているようなものじゃないの?」という友人の言葉も胸をえぐりました。

「やりたいことを我慢するような生活をしたくない」と言いながら、現実には我慢の生活になりつつある。そんな中で、妻が言い出したのが「私たちだけで悶々としていても仕方ないから、専門家の意見を聞いてみようよ」ということでした。私としても異論はありません。早速、会社で研修担当の妻が以前仕事をお願いしたことのあるファイナンシャルプランナー(FP)の谷さんの相談を受けることにしました。