脱ロシアのカギ、中東の情勢は大丈夫?

ロシアのウクライナ侵攻は、私たちの生活にも大きな影響を与えました。次の火種はどこにあるのか、心配する人も多いのではないでしょうか。

欧州諸国がエネルギーのロシア依存からの脱却を進める上で、中東の情勢はより重要となってくるでしょう。近年、大きく状況が変わった国の1つが「アフガニスタン」です。アメリカとの戦争で2001年に政権を失ったタリバンは、2020年2月にアメリカと和平合意を結び、2021年8月に再びアフガニスタンを掌握しました。

和平合意に基づいてアメリカ軍が撤退してから、アフガニスタンでは治安の悪化が懸念されています。国際テロ組織「IS(イスラム国)」の地方組織は、タリバンが復権してすぐにアフガニスタンの首都カブールの空港周辺で爆破テロを起こしました。タリバンがISの封じ込めに失敗すれば、アフガニスタンがテロの温床となるかもしれません。

さらにアフガニスタンでは、隣国イランとの武力衝突も相次いで発生しています。イランはシーア派を国教としており、スンニ派のタリバン政権を認めていません。またイランは、同じくシーア派が多数を占めるイラクへの干渉を強める動きが指摘されています。イラクでは親イラン派が勢力を増しており、対立の高まりから内戦を危惧する声もあります。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。