「新NISAは富裕層しか使えない」という勘違い

ここまでの話を聞いて、「1800万円とか2000万円とか言われても、金額が大きすぎて庶⺠の⾃分には関係ない……」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、そうとも言えません。

仮にあなたが現在40歳だとすると、⼀般的な定年である65歳まであと25年。仮に毎⽉6万円のペースで投資したとすれば、25年後にはちょうど1800万円を投資できますが、⽣活がギリギリで月6万円も投資に回せないということもあるでしょう。

では、10年後はどうでしょうか?

その頃には⼦どもが巣⽴って毎月の⽣活費が減ったり、会社での役職が上がり収⼊も増えたりして、投資に回せる資金が増えているかもしれません。そうすると、25年後には思ったよりも余裕をもって1800万円の枠を使い切っている可能性があります。嬉しい誤算ですが、「25年前に旧NISAを使っておけば⾮課税枠が⼤きくなっていたのに……」と考える将来も十分あり得るということです。

10年後、20年後の⾃分の姿など、誰も正確にはイメージできません。しかし、確かに言えるのは「将来の選択肢は多ければ多いほど良い」ということ。その将来の選択肢を増やすという方法が、NISAで言う「2023年中に旧NISAを使う」という行為なのです。

もちろん、無理をしてまで1800万円や2000万円の枠を使い切る必要はありませんが、2023年末までに動いておけば「将来たくさん投資したくなったときに助かる」ことは間違いありません。