地銀、第二地銀、ゆうちょ銀・郵便局といった預貯金を中心に取り扱ってきた金融機関は、運用の専門家である運用会社の担当者への期待値は高かったが、22年は一段と評価値が高まっている。
「ニーズや課題を踏まえた対応をしてくれる」という項目では、地銀が21年の74.2%から22年は84.6%、第二地銀は同様に61.8%が75.6%、ゆうちょ銀・郵便局は61.7%が65.3%になった。また、「業界・他社動向に詳しく商品・マーケットの知識がある」という項目の評価も高くなった(地銀は76.7%が76.9%、第二地銀は61.8%が82.9%、ゆうちょ銀・郵便局は70.2%が73.5%)。
リスク商品の取り扱いには慣れていないものの、預貯金を通じて投信の新規顧客候補を多く抱える銀行に対して手厚いサポートを行ってきた運用会社の取り組みは、市場が大きく変化した中で活きているといえるだろう。
部門を越えた総合力も評価
一方、「プレゼンテーション能力が高い」という項目について、評価ポイントが高まったのは証券会社と並んでゆうちょ銀・郵便局(48.9%が65.3%)だった。この項目は、新規ファンドの導入時等に注目されやすい項目になると考えられる。市場の流れが大きく変わった環境に対し、証券会社やゆうちょ銀・郵便局では、従来のラインナップに加えて新しい市場環境に適合した新ファンドの導入を検討する動きが強まったのかもしれない。
また、全体的な評価は低いものの「必要な社内リソースを動かす力がある」という項目について、地銀が21年の19.2%から22年は23.1%、第二地銀が8.8%から24.4%、IFAが15.8%から29.8%と相対的に評価ポイントを高めている。市場が大きく変化する中にあっては、営業部の担当者が運用部のファンドマネジャーに運用の実情を説明してもらう、または外部委託運用部の担当者から海外の運用会社の考え方を紹介してもらうなど、運用会社の総力を挙げたサポートへの期待が高まったといえるだろう。