NISAは投資した利益が非課税になる投資優遇制度

一方、NISAは正式名称が「少額投資非課税制度」ということからもわかるように投資した結果得られた利益に対する税制優遇の制度ですから、iDeCoとは異なり、投資をしなければ運用益非課税の適用とはなりません。あくまでも投資信託や株式のみが対象となります(つみたてNISAでは株式は利用できません)。

資産形成の目的は人さまざまで、もちろん老後資金作りのためでもあるでしょうが、それだけではなく人によっていろいろな目的があると思います。ですから、引き出しは自由、いつでも使いたいときに売却して引き出せる仕組みになっています。

2024年からの新しいNISAでは、年間の投資枠が、積み立て投資枠で120万円、成長投資枠も使えば合わせて360万円と非常に大きな投資枠になりますので、まとまった資金を非課税運用できるという特長もあります。

つみたてNISAの対象商品は長期の資産形成向きに厳選されている

何度か拡充が行われているNISAですが、2014年に今の一般NISAがスタートした時から個人投資家のすそ野を広げる、つまり、中間所得層に投資を通じた資産形成をしてもらうことを狙って制度は創設されました。しかし、それが少し違った使われ方をしたので、2018年に「積立」と対象商品が厳選された「つみたてNISA」という仕組みが作られました。対象商品は長期の積立・分散投資になるよう定められた要件を満たし、かつ金融庁に登録した投資信託・ETFだけです。2023年2月17日現在、対象商品として登録されているのは221本です。一般に売られている投資信託は約6000本ですから、そのうちのわずか4%に厳選されているといえます。

このつみたてNISAの対象商品の基準は、長期の積立・分散投資には必須のものとして新しいNISAのつみたて投資枠にも引き継がれます。改めて詳細を確認してみると、よく考えられた基準です。まず政令のレベルで、「テーマ」型など短期で運用を終える投資信託や、レバレッジをかけた短期トレード向きの投資信託、そして毎月分配型の投資信託が、長期の積立・分散投資に適さないとして、定義されています。

加えて、分散投資となるようベンチマークとなる指数を限定し、販売時の手数料を認めず、運用管理費用(信託報酬)についても運用の方法ごとに基準を定めました。

インデックス型投資信託の場合
①    国内資産を対象とするもの   信託報酬:0.5%以下  (税抜き)
②    海外資産を対象とするもの   信託報酬:0.75%以下(税抜き)

アクティブ運用投資信託の場合
①    国内資産を対象とするもの 信託報酬:1%以下  (税抜き)
②    海外資産を対象とするもの 信託報酬:1.5%以下 (税抜き)

この厳しい基準は、投資に不慣れな方、初めて投資をする方にとって、長期の資産形成に適さない投資信託を選んでしまうリスクを排除することができるのでとてもありがたいものです。