・復興税が防衛費に“転用”される? 震災からの再建半ば…政府の狙いは

2008年9月のリーマンショックの陰に隠れがちですが、実はその後も大きなショックが連続的に発生しました。「ギリシャショック」はその代表的な事例です。ギリシャの信用力が失墜し、共通通貨「ユーロ」でつながるEUは同国の支援を余儀なくされます。

13年前の2月11日、EU諸国はギリシャを支援することで合意したものの、事態は収束せず、数年にわたって影響が続きました。ギリシャショックは、EUに共通通貨のもろさを突き付けたケースといえるでしょう。

ギリシャショックとは

ギリシャショックは、同国で起きた政権交代を機に顕在化します。

2009年10月に新民主主義党から全ギリシャ社会主義運動へ政権が移り、ギリシャの財政赤字が隠蔽されていた事実が明らかになりました。それまで同国はGDP比5%程度の赤字としていたところ、実際には約13%に上ることが判明します。

これを受け、米格付け会社のフィッチはギリシャ国債の格付けを「A」から「Aマイナス」へ、さらに同年12月には「BBBプラス」へ引き下げました。他の主要な格付け会社も追随し、ギリシャの信用不安が台頭します。同国債の価格は暴落し、利回りは10年物で35%を超えるほど急騰しました。

【ギリシャ10年国債利回り】

Investing.comより著者作成

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これをきっかけに、ギリシャに多額の融資をしていたEU主要国や、財政赤字が比較的大きい南欧の国々でも信用不安が懸念され、ギリシャ問題はEU全体の問題となります。

ギリシャはEUやIMFから支援を受ける見返りに、厳しい財政健全化の道のりを歩みます。その代償は大きく、同国経済は大きく落ち込んでしまいました。

【ギリシャ実質GDP成長率】

IMF「World Economic Outlook Database(October 2022)」より著者作成

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