投資信託をはじめ金融商品の販売関連業務に携わる読者を持つ金融リテール専門誌『Ma-Do』が実施した「運用会社ブランドインテグレーション評価2022」で、販売会社が求める運用会社のスタッフへの期待が、これまでに増して大きくなっていることがわかった。特に運用会社の営業担当者、および研修担当者に求めるスキルとして前年度比べて最もポイントの比率が高まったのは「コミュニケーション能力に優れていること」という項目だった。特に、本部では前年の50.9%が64.3%に高まった。また、「必要な社内リソースを動かす力がある」という項目も19.1%から30.8%に大きく上昇した。この社内リソースを動かす力については、支店でも前年の14.3%が16.2%に上昇している。コミュニケーション力とともに、これらは基本的なサポート能力だが、その基本能力に再び注目度が高まっていることが特徴だ。
「運用会社ブランドインテグレーション評価」は、投信販売会社が運用会社を評価する調査で、運用会社について「運用力」「商品開発力・企画力」「営業担当者・研修担当者の質」「サポート力」「ブランド力」「ガバナンス」の6つの軸で評価してもらい、得点順にランキングした。2022年調査は9月~10月にWEBで実施し、国内外の運用会社36社を評価の対象とし、310件の回答を得た。
マーケットの変化が生む基本的な営業力への期待
「コミュニケーション力」や「社内リソースの活用力」は、営業担当や研修担当に求められる基本的なスキルといえる。その能力に改めてスポットがあたっているのは、市場環境の変化によって、販売会社が顧客と向き合うにあたっても、改めて基本的なコミュニケーションのスキルが求められるようになっていることの裏返しと考えられる。2022年になって市場の上昇がストップし、投資信託の基準価額が下落するような結果を経験すると、単純に投資信託の購入を勧めるだけでは、顧客からの信頼を得られないことになる。